Medical News Japan

タバコ:一度だけでなぜ止められなくなるのか

Study shows why once is enough to hook some smokers
ロイター通信 2008/08/05

 シカゴ発-1度タバコを吸っただけで、ニコチン中毒になる人もいれば、嫌悪感を抱く人もいます。
 カナダの研究者たちは、 ラットの脳の中にこの違いのカギとなる領域を発見しました。


 特定の分子の出入り口(レセプター)を操作することで、研究者たちはラットがニコチンの初回の曝露を楽しめるか、嫌うかがわかりました。

 「我々の発見によって、ニコチン中毒になりやすい個体差を解説できるかもしれませんし、ニコチン中毒やニコチン離脱相乗に対する新しい薬物治療を示しているかもしれません。」とNeuroscience誌にこの発見を報告したWestern Ontario大学のSteven Laviolette博士は語りました。

 これまでの研究によって、特定の人はニコチンの作用に特に反応することが判明しています。

 去年の10月、Pediatrics誌において、はじめてタバコを吸ったあと、リラックスしたと感じた10代は喫煙中毒になりやすいことが発表されました。

 「初めてのタバコの曝露の間に、多くの人はニコチンがひどく不快で嫌悪なものと知りますが、一方すぐにニコチン依存となり、ニコチンがいいと感じる人もいます」とLaviolette博士は語りました。

 この違いを調べるために、Laviolette博士らは、人と同じ脳の構造をもつラットを使って一連の実験を行いました。

 彼らは、側坐核(Nucleus accumbens、NAcc)は前脳に存在する神経細胞の集団。報酬、 快感、嗜癖、恐怖などに重要な役割を果たすと考えられている)とよばれる脳の報酬回路(reward circuit)の領域に焦点をしぼりました。彼らはラットがニコチンを楽しむか、嫌うかをコントロールする側坐核のshellとcoreの部分でメッセージ伝達物質のドーパミンレセプターを発見しました。

 彼らが、この二つのドーパミンレセプター(D-1,D-2)を側坐核のこれらの領域に到達する薬物でブロックしたところ、ラットはニコチンをポジティブな有意義な体験として経験していました。

「我々は、ニコチンを嫌う効果と好きになる効果の切り替えができました」とLaviolette博士は電話インタビューに答えました。

 さらに博士は「自然にこの違いは生じています」。「これらのレセプターはなぜ人々がニコチン中毒になりやすいかを説明してくれるかもしれません」と語りました。

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Study shows why once is enough to hook some smokers
2008/08/05

2008年08月07日:呼吸器・たばこ:skyteam2007

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