中国:延命治療も金次第
【ヤマトナデシコ大陸奮闘日記】(83)
お金がなければ助からない
FujiSankei Business i. 2008/8/30より
中国人の友人の母親が長らく糖尿病を患っている。50歳直前に発症して10年以上、そして最近、糖尿病が原因の腎不全になり、毎週3回の人工透析が欠かせ ない体になった。友人は毎回母親を病院に送り迎えし、最新型の外国製機械を使った医療行為を受けさせ、高額の薬をもらう。日本のものが圧倒的に多いそうだ が、医療費は日本円にして毎回2~5万円、月に30~40万円かかるという。
日本では人工透析は特例が設けられていて、月額2万円程度が自己負担の上限だという、とすれば、物価の違いを考えたら法外な負担に間違いない。もちろん友人の母親にも保険があるにはあるが、中国の保険の適応額の低さと言ったらないので、到底その範囲におさまらず実費。稼いだお金や貯金がどんどん消えていくそうだ。
そして、その友人の知り合いの娘さん。まだ17歳の彼女は、無謀運転の車に友達と2人でいるところを跳ね飛ばされた。友達は即死、彼女は全身打撲であちこちの内臓が破裂しているが一命は取りとめた。
とはいえ事故以来、集中治療室に3カ月以上ずっと入って「何とか生かされている」状態。その上、なんとその費用として150万元(約2250万円)を請求 されたそう。犯人は見栄えだけいい外国の大きな4輪駆動車に乗っていたが借金だらけ。完全に開き直り、治療費負担を期待できない。
そこで両親は家も車も売り払い借金を重ねて何とか払ったが、次の支払いはもう無理。その時点で娘さんは集中治療室から出されるので、おそらく亡くなるだろう、とのこと。なんともはや信じられぬ世界だ。
それにしてもこの高額さ。前述の、母親が糖尿病の友人が、こんなことを言っていた。
「母が発症した当時、10年ちょっと前は医者の質も悪くロクな医療が受けられなかった。母なんて糖尿病と診断してもらえず、ブドウ糖の栄養点滴を打たれた りして、死にそうになった」という。糖尿病は体内でブドウ糖代謝に必要なインスリンが不足ないしは正常に働かず、高血糖と合併症を引き起こす病気。よっ て、ブドウ糖注射は低血糖になった場合は有効だが、高血糖だったら命にかかわる。友人はさらに頭を抱える。
「10年前に比べたら、いい機械や外国の薬が使えていい時代になったのかもしれない。でもこんなに高額じゃ、僕もいつまで母に人工透析を受けさせてあげられるか、わからない。これなら人工透析なんて庶民には無理だった、10年前に戻った方がいいくらいだ」
目の前に「助かる方法」があるのに、お金がなきゃ受けられない続けられない、という今は「助かる方法が中国にはないのだから仕方ない」とあきらめてた昔よりも、患者や家族の心の状態は悪くなったといえるのかもしれない。
中国の異様に高い医療費については何度か書いてきたが、それにしても…。(農業経営コンサルタント)
お金がなければ助からない
FujiSankei Business i. 2008/8/30より
中国人の友人の母親が長らく糖尿病を患っている。50歳直前に発症して10年以上、そして最近、糖尿病が原因の腎不全になり、毎週3回の人工透析が欠かせ ない体になった。友人は毎回母親を病院に送り迎えし、最新型の外国製機械を使った医療行為を受けさせ、高額の薬をもらう。日本のものが圧倒的に多いそうだ が、医療費は日本円にして毎回2~5万円、月に30~40万円かかるという。
日本では人工透析は特例が設けられていて、月額2万円程度が自己負担の上限だという、とすれば、物価の違いを考えたら法外な負担に間違いない。もちろん友人の母親にも保険があるにはあるが、中国の保険の適応額の低さと言ったらないので、到底その範囲におさまらず実費。稼いだお金や貯金がどんどん消えていくそうだ。
そして、その友人の知り合いの娘さん。まだ17歳の彼女は、無謀運転の車に友達と2人でいるところを跳ね飛ばされた。友達は即死、彼女は全身打撲であちこちの内臓が破裂しているが一命は取りとめた。
とはいえ事故以来、集中治療室に3カ月以上ずっと入って「何とか生かされている」状態。その上、なんとその費用として150万元(約2250万円)を請求 されたそう。犯人は見栄えだけいい外国の大きな4輪駆動車に乗っていたが借金だらけ。完全に開き直り、治療費負担を期待できない。
そこで両親は家も車も売り払い借金を重ねて何とか払ったが、次の支払いはもう無理。その時点で娘さんは集中治療室から出されるので、おそらく亡くなるだろう、とのこと。なんともはや信じられぬ世界だ。
それにしてもこの高額さ。前述の、母親が糖尿病の友人が、こんなことを言っていた。
「母が発症した当時、10年ちょっと前は医者の質も悪くロクな医療が受けられなかった。母なんて糖尿病と診断してもらえず、ブドウ糖の栄養点滴を打たれた りして、死にそうになった」という。糖尿病は体内でブドウ糖代謝に必要なインスリンが不足ないしは正常に働かず、高血糖と合併症を引き起こす病気。よっ て、ブドウ糖注射は低血糖になった場合は有効だが、高血糖だったら命にかかわる。友人はさらに頭を抱える。
「10年前に比べたら、いい機械や外国の薬が使えていい時代になったのかもしれない。でもこんなに高額じゃ、僕もいつまで母に人工透析を受けさせてあげられるか、わからない。これなら人工透析なんて庶民には無理だった、10年前に戻った方がいいくらいだ」
目の前に「助かる方法」があるのに、お金がなきゃ受けられない続けられない、という今は「助かる方法が中国にはないのだから仕方ない」とあきらめてた昔よりも、患者や家族の心の状態は悪くなったといえるのかもしれない。
中国の異様に高い医療費については何度か書いてきたが、それにしても…。(農業経営コンサルタント)
2008年08月31日:韓国・中国・アジア:skyteam2007
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