Medical News Japan

イギリス:臓器移植のドナー不足

推定同意について除外されません
Presumed consent 'not ruled out'
BBC 2008/11/17

 イギリスのGordon Brown首相は、専門委員会の委員たちが「推定同意」の考えを拒絶しても、臓器提供での法律の改正を排除しません。
 イギリスの臓器提供特別委員会は、人々が臓器提供をオプトアウト(提供拒否)していなければ、臓器を移植に利用するようにしても、臓器提供率は増加しないだろうと語りました。
 450万ポンド(6.45億円)の費用をかけてイギリスにおける啓蒙キャンペーンが、ボランティアでのドナー数を増やすことが目的で行われています。しかし、イギリス首相は、これが成果が出ないのなら、法律改正を行うと警告しました。

 イギリスは、ヨーロッパで一番臓器提供率が低い国です。現在、イギリスでは移植が必要な人々は約8000人いますが、移植手術は毎年3000件しか行われていません。

 毎年、1000人のイギリス国民が、移植を待ち続けて死亡しています。現在、遺族前にその人が臓器提供者として登録するか、家族が同意しなければ、臓器は利用されません。

 Alan Johnson保健相は、11/17月曜日に、臓器提供者として2010年までに2000万人、2013年に2500万人の人が署名するのを増やす目的で450万ポンド(6.45億円)が教育キャンペーンに費やされます。これは現在の登録者の2倍の数字です。

 同じようなキャンペーンがスコットランドですでに成功をおさめています。しかし、イギリス首相のBrown氏は、もしこのキャンペーンが必要なインパクトを与えなかったら、「推定同意」への変更が行われる可能性が高いつのべました。

 彼は「私はさに法の改正を否定しません」と述べました。「我々は、このキャンペーンの次のステージでどれくらい成功したか判明したら、法改正を再びとりあげるでしょう」

 Brown首相のコメントは、2013年に提供状況について再び評価されるというスコットランドの健康相Nicola Sturgeon氏の考えに同調したものでした。NHSスコットランドは、人々に現行の法律を人々に伝えるために、意識を高める資料を作るように依頼されました。


Strong emotions強い感情

 特別委員会の委員長のElisabeth Buggins氏は、この問題は「非常に強い感情」を引き起こしてきたと語りました。

 しかし、彼女は、世界中から400ページもの証拠を集めてきた特別委員会は、「推定同意」が移植可能な臓器の数を増加させる証拠をほとんど見つけられなかったと述べました。彼女は、スペインの「推定同意」制度に、臓器提供の増加がありましたが、この増加は制度変更によるものではないと語りました。

 Buggins氏は「我々は、臓器移植を受けた家族や提供者の家族から、贈り物という考えが、彼らには大切で、「推定同意」という考えは、そのような(贈り物だという)考えを弱めると考えます」と述べました。

 「我々は、推定同意という考えが、医師への信頼間を損なう可能性があり、我々はそれは臓器提供のレベルにとってとても大切だということを知っています。」

 代わりにBuggins氏は、臓器提供数が増加したのは、おそらく亡くなった家族と働く臓器のコーディネーターの数や、臓器を探す医師の数が増加したためで、さらに公衆情報キャンペーンの立ち上げに可能性がありそうだと語りました。

 「臓器は、亡くなる前の患者から得られるという多くの恐れがあります。-これは絶対的な真実とは限らない-」

Medical split医学界の分裂

 医学専門家たちはこの「推定同意」の問題について分裂しています。今年9月に、集中治療室の医師がBBCに語ったところによると、医師たちは臓器移植の法律の革新的な変化について深く関心をもっていますとBBCに伝えました。

 集中治療学会の研究によれば、そのような動きが患者と医者の間の信頼を破損するだろうと多くの専門家が心配することを示唆しています。

(以下略)
But Dr Vivienne Nathanson, chair of ethics at the British Medical Association, said she was disappointed by the task force's findings.

She said presumed consent was not a panacea, but was likely to result in a 10-15% increase in donated organs - if sufficient surgeons, intensive care beds and transplant coordinators were put in place.

She said it would also encourage families to discuss their views, and make their position clear.

The BMA supports a 'soft' system of presumed consent, where individuals who do not want to donate their organs have a formal mechanism for registering that objection and where families are consulted to identify any unregistered objection.

Dr Nathanson said: "We know that the majority of the population want to be organ donors, but only 25% are on the register.

"Turning it round the other way, so that you take organs from everyone unless they have either put their name on a register to opt out, or their family say they wanted to, but haven't got round to it, means you could quite significantly increase the numbers of donors."

Lack of capacity
キャパの不足

But Tim Statham of the National Kidney Federation said organs were being wasted because of a lack of capacity in the NHS - a situation which presumed consent would not solve.

And Professor John Fabre, a former president of the British Transplantation Society, said presumed consent was a "simplistic" way to try to boost organ donation rates, which would be a "waste of time".

Joyce Robins, co-director of Patient Concern, said: 'We can only hope that Gordon Brown does not follow the example of the Welsh Health minister Edwina Hart, who rejected the all-party Welsh Assembly report when they decided against presumed consent after weeks of evidence and is still pressing ahead."

A report recommending a radical overhaul of the UK organ donor network in a bid to double the number of organs available for transplant, has already been published by the Organ Donor Taskforce, and is being implemented.

The latest recommendations on presumed consent are not binding and the government could decide to press ahead with changes to the legislation.

Any change to the system would involve amending the Human Tissue Act of 2004.


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Presumed consent 'not ruled out’

BBC 2008/11/17


*推定同意の原則(Presumed consent policy)
 臓器移植のドナーとなりうる患者が発生したさいに、その患者が臓器移植を拒否する意思を示すカードを携帯しているか、最近親者が反対した場合を除き、移植のために臓器または組織を摘出してよいとする考え方。ベルギー、フランス、デンマーク、スウェーデン、オーストリア、スイスおよびイスラエルではこの原則が適用されている。


臓器移植の際のドナーになるかどうかも同じです。
一般的にopt in方式か、opt out方式の2通り。
 opt out方式は、文書でも保健省へのドナー拒否登録、あるいは口頭でも、生前に患者がドナーになることを拒否している場合以外は場合、脳死になった時に家族や無うちの反対があっても、ドナー臓器を取り出せるシステム。患者の意思を優先させるやり方で、スペイン、ベルギーなどの欧州の国が採用しています。opy in方式だったイギリスなども、この方式に変更の予定。

 opt in方式は、患者がドナー登録をしたり、ドナーカードを持っていたり、口頭あるいは文書でドナーになることを承諾している場合は、臓器を取りf出せるシステム。オランダなどの欧州各国が採用しています。こちらも患者の意思を尊重するやり方です。

2008年11月19日:移植医療:skyteam2007

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