分子プロファイリングで予測可能に:結腸がん患者の生存率
分子プロファイリングは正確に結腸癌患者の生存率を予測する
Molecular Profiling Can Accurately Predict Survival In Colon Cancer Patients
2007/09/27
オランダの研究者達は、結腸癌の術後再発しやすい可能性がある患者や化学療法の追加によって恩恵を受ける患者を正確に予想する手法を確立しました。
Leiden大学医療センターのRob Tollenaar 教授およびオランダ癌学会のLaura Van 't Veer 医師は、結腸癌ステージIIと診断され、補助化学療法を受けていない患者121名の腫瘍組織の全ゲノムの遺伝子の発現の変異について、初めて分析を行いました。
内分泌・胃腸・腫瘍外科部門の責任者であるTollenaar教授は、9/26にバルセロナで開催された欧州癌学会(ECCO)で、全ゲノム分子の発現プロファイルにより、2つの患者群間で、明らかな臨床転帰の違いがあるの特定したと発表しました。
同教授は、「結腸癌のステージIIの患者の5年生存率は約80%です。これまでのランダム化試験では、補助化学療法によって、めざましい恩恵を受けているというエビデンスは示されていませんでした。患者の3/4は手術のみで治癒しています。したがって、25%未満の患者は、追加化学療法の効果を示していることになります。」と述べました。
さらに、同教授は、「我々の解析によると、患者集団の75%においては、その内の約90%が遠隔転移を伴わず5年間以上生存し、残りの25%の患者集団のうち、約65%が遠隔転移を伴わず5年間以上生存することが明らかになりました。よって、この25%の患者集団において、補助化学療法が有効であると判明しました。」と述べました。
「低生存率群が、ゲノムの広範囲発現解析(genome-wide analysis)によって、初めて明らかにされました。そのため、疾患の転帰が、より正確に腫瘍の生物学に関連しています。」とTollenaar教授は述べました。
さらなる解析の結果、”転帰が芳しくない”患者群では、”転帰が良好である”患者群の約3倍、転移がみとめられるとの事でした。この解析方法は、臨床腫瘍学会(ASCO)で推奨されている一般的な手法よりも、”転帰が芳しくない”患者群でどの患者が補助化学療法を受けるべきかを予測するのに優れています。
研究者達は、この結果について、2005年に”Journal of Clinical Oncology”にて掲載された結腸癌患者の情報と比較しました。Tollenaar教授は、「結腸癌のステージII患者において、転移を伴わない5年生存率の予測が確率されました。”転帰が良好である患者群”では90%であり、”転帰が芳しくない群”では40%でした。 これは我々の結果の、重要なバリデーションでした。」と述べました。
研究者達は、ゲノム広範囲発現解析から、100の遺伝子サブセットにおいて、全ゲノム分子的発現プロファイルと同様に、転帰を予測する事が可能であることを明らかにしました。これらの遺伝子の多くは、上皮間葉移行(EMT)を調整する遺伝子として知られている。EMTとは、細胞発生のプログラムであり、結腸癌の進展に関する駆動力
と考えられている。
Tollenaar教授の研究では、補助化学療法を受けていない患者の転移について予測するものでしたが、教授は、実際に化学療法で恩恵を受けている患者達の分子プロファイルについて、さらに研究が必要であると述べています。
また、教授は、この研究結果が実際に臨床で応用される前に、現在進行中であるバリデーション(検証)試験で、この研究結果を立証する必要性があることと、診断機器としてしっかり発展させる必要があると述べている。分子プロファイルを行っているのは、アムステルダムにあるAgendiaBV 社で、現在、診断機器を開発中であり、2008年度のはじめ頃に上市される見込みであるとのことです。
これらの結果は、多くの結腸癌患者を不要な化学療法から救いますが、Tollenaar教授は、「現在の診療内容は、国によって異なり、ヨーロッパの国々でもずいぶんと異なります。例えば、スペインでは60%の結腸癌患者が補助化学療法を受けるのに対し、オランダでは20%程度です。よって、ある国では、化学療法を受ける患者数が減少し、ある国では増加するでしょう。しかしながら、両方のケースにおいて、患者を正確に選択した結果の転帰となるでしょう。」と述べました。
欧州癌学会(ECCO)
Molecular profiling can accurately predict survival in colon cancer patients
Molecular Profiling Can Accurately Predict Survival In Colon Cancer Patients
http://www.medicalnewstoday.com/articles/83725.php
Molecular Profiling Can Accurately Predict Survival In Colon Cancer Patients
2007/09/27
オランダの研究者達は、結腸癌の術後再発しやすい可能性がある患者や化学療法の追加によって恩恵を受ける患者を正確に予想する手法を確立しました。
Leiden大学医療センターのRob Tollenaar 教授およびオランダ癌学会のLaura Van 't Veer 医師は、結腸癌ステージIIと診断され、補助化学療法を受けていない患者121名の腫瘍組織の全ゲノムの遺伝子の発現の変異について、初めて分析を行いました。
内分泌・胃腸・腫瘍外科部門の責任者であるTollenaar教授は、9/26にバルセロナで開催された欧州癌学会(ECCO)で、全ゲノム分子の発現プロファイルにより、2つの患者群間で、明らかな臨床転帰の違いがあるの特定したと発表しました。
同教授は、「結腸癌のステージIIの患者の5年生存率は約80%です。これまでのランダム化試験では、補助化学療法によって、めざましい恩恵を受けているというエビデンスは示されていませんでした。患者の3/4は手術のみで治癒しています。したがって、25%未満の患者は、追加化学療法の効果を示していることになります。」と述べました。
さらに、同教授は、「我々の解析によると、患者集団の75%においては、その内の約90%が遠隔転移を伴わず5年間以上生存し、残りの25%の患者集団のうち、約65%が遠隔転移を伴わず5年間以上生存することが明らかになりました。よって、この25%の患者集団において、補助化学療法が有効であると判明しました。」と述べました。
「低生存率群が、ゲノムの広範囲発現解析(genome-wide analysis)によって、初めて明らかにされました。そのため、疾患の転帰が、より正確に腫瘍の生物学に関連しています。」とTollenaar教授は述べました。
さらなる解析の結果、”転帰が芳しくない”患者群では、”転帰が良好である”患者群の約3倍、転移がみとめられるとの事でした。この解析方法は、臨床腫瘍学会(ASCO)で推奨されている一般的な手法よりも、”転帰が芳しくない”患者群でどの患者が補助化学療法を受けるべきかを予測するのに優れています。
研究者達は、この結果について、2005年に”Journal of Clinical Oncology”にて掲載された結腸癌患者の情報と比較しました。Tollenaar教授は、「結腸癌のステージII患者において、転移を伴わない5年生存率の予測が確率されました。”転帰が良好である患者群”では90%であり、”転帰が芳しくない群”では40%でした。 これは我々の結果の、重要なバリデーションでした。」と述べました。
研究者達は、ゲノム広範囲発現解析から、100の遺伝子サブセットにおいて、全ゲノム分子的発現プロファイルと同様に、転帰を予測する事が可能であることを明らかにしました。これらの遺伝子の多くは、上皮間葉移行(EMT)を調整する遺伝子として知られている。EMTとは、細胞発生のプログラムであり、結腸癌の進展に関する駆動力
と考えられている。
Tollenaar教授の研究では、補助化学療法を受けていない患者の転移について予測するものでしたが、教授は、実際に化学療法で恩恵を受けている患者達の分子プロファイルについて、さらに研究が必要であると述べています。
また、教授は、この研究結果が実際に臨床で応用される前に、現在進行中であるバリデーション(検証)試験で、この研究結果を立証する必要性があることと、診断機器としてしっかり発展させる必要があると述べている。分子プロファイルを行っているのは、アムステルダムにあるAgendiaBV 社で、現在、診断機器を開発中であり、2008年度のはじめ頃に上市される見込みであるとのことです。
これらの結果は、多くの結腸癌患者を不要な化学療法から救いますが、Tollenaar教授は、「現在の診療内容は、国によって異なり、ヨーロッパの国々でもずいぶんと異なります。例えば、スペインでは60%の結腸癌患者が補助化学療法を受けるのに対し、オランダでは20%程度です。よって、ある国では、化学療法を受ける患者数が減少し、ある国では増加するでしょう。しかしながら、両方のケースにおいて、患者を正確に選択した結果の転帰となるでしょう。」と述べました。
欧州癌学会(ECCO)
Molecular profiling can accurately predict survival in colon cancer patients
Molecular Profiling Can Accurately Predict Survival In Colon Cancer Patients
http://www.medicalnewstoday.com/articles/83725.php
2007年10月02日:がん:skyteam2007
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