[韓国医療崩壊-3-]メスを持たない医者たち
[メスを持たない医者たち] 解決策は "3Kと医者補償"
「医療事故が多くて大変な科に誰が行きますか…」
指摘は正しいが '国民負担' が増えて難題
'手術大乱'が来る前に政府が対応せねば
朝鮮日報2003/11/04
「診断放射線科は 2000年度 214人の専門医の輩出を起点に 2002年には 177人まで減り, 2003年からは 100人以下しか輩出されず、需要に対する最低供給以下に落ちました. (中略) このような専門医輩出の減少は、すなわちこの分野の就職機会の拡大と平均収入の増加につながっています….」
大韓放射線医学会は、来る 12月 24日に行われるレジデント試験を控えて、去る 9月末に全国のインターンにこんな手紙を送った. 去る数年間に診断放射線科専門医が減少したので、今診断放射線科を選べば就職がよく, お金もよく儲けることができるという内容だ. 手紙には外国有名学会研修の機会提供など ‘手厚いもてなし’も約束している. この手紙が志願率を高めるのに効果があるのだろうか.
レジデント人員の充足ができなければ、欠員を満たすための試験が下半期にも行われる. 去る 8月 25日に施行された今年の下半期レジデント試験で胸部外科は 19人, 救急医学科は 22人, 診断検査医学科は 18人を追加募集しようとした, 志願者は皆 0だった. 診断放射線科は 28人募集にただ 2人が志願した. 一方形成外科・耳鼻咽喉科はそれぞれ 1人募集に 2人が志願して 1人ずつ充員された. 不人気科は追加募集でも徹底的にそっぽを向かれた.
このようにレジデント人員の不均衡はますますひどくなっているが, 解決策の整備が簡単ではない. 今の異常な人員需給構造を放置すれば、短期的には患者たちが不利益を被り, 長期的に我が国に必要な専門医人員を十分に確保することができなくなるという‘診断’は医療界と政府で同一である.
医療界は “この問題の根本原因は、現実にそぐわない低い保険報酬だから”と主張する. しかし ‘処方’は未だ出ていない. 解法がともすると国民の医療費負担増加に帰着される可能性が高いため、誰も ‘銃床’を担おうと思わないからだ.
国民の医療費負担をふやさずにこの問題を解消するために、風邪など軽い疾患の本人負担金を高め、その代わりに重病の保険範囲を拡大する方向で報酬体系を調整しようという方案も提示されているが、これといった進展がない.
レジデントたちは “自由に専攻を選択することができる状況で、誰が易しくて楽な道の代わりにいばらの道を行くというのか”と抗弁する. 人気科である皮膚科・耳鼻咽喉科・眼科・形成外科などは専門医になった後の期待所得が高いにもかかわらず、レジデント時にも当直負担や急病患者を診療する仕事が少なく, 医療事故の危険性も低い. 一方胸部外科など外科系は未来が不透明な上、レジデント課程でも過剰な当直負担と過大な業務に苦しむ.
‘医療市場’の変化がレジデント志願率に直接影響を与えた事例が麻酔科だ. 麻酔科は開業が難しく, 医療事故の危険性も高くて 2000年にはレジデント充員率が 50~80%にとどまる不人気科だった. それがここ数年、麻酔科医たちが ‘麻酔・痛みクリニック’ などを開院して悪くない収入をあげるようになり、志願率が 2002年に 91.2%, 2003年には 99.5%まで上がった. 所得が保障されれば、大変な科にも志願者が集まることを示している.
アメリカは重い病気の手術をする医者の所得が相対的に高く, レジデント課程でも外科系などの業務負担が過剰にならないように厳格な勤務規定を置いている. アメリカレジデントの教育と勤務を担当する委員会(ACGME)は、レジデントは 1週間に 80時間以上働くことができず, 1週間に一日は必ず休むようにと規定している. このような規定があれば、胸部外科レジデントが一日 19時間以上勤務することは不可能だ.
大韓専攻医協議会のイ・ドンヒョン福祉理事は “大部分の病院で、レジデントの勤務時間に対する基準もないことが現実”と語った. このような実情を反映, レジデント労組まで議論され始めている.
ハンリム大医学部イ・サンゴン教授は “レジデント人員の不均衡問題を医療市場の競争だけに任せたら今後とも解決策は出にくいこと”とし、“医療の公共性が重要であれば政府が率先して動かなければならない”と言った.
(イム・ヒョンギュン記者 hyim@chosun.com )
▲図の説明: インターンがレジデントの専攻科目を選択するときに考慮する項目(順位)
1. 専門科目の名声と権威
2. 専門医取得後の開業機会
3. 専門医取得後の経済的所得
4. 志願科の病院内の位相
5. 医療事故の危険
6. 専門医取得後の都会での生活機会
7. 家族や知人の忠告
8. 課程の経済的状況(家族扶養の責任)
(資料:延世大保健大学院修士論文、インターン497人を対象にした設問調査)
入力 : 2003.11.04 18:35 27' / 修正 : 2003.11.05 04:09 56'
-----------------------------
上記を裏付けるように、専門医を選ぶ際に不人気科と人気科に差が出ているのは、日本と重なります。
専攻医志願率 皮膚科が1位
朝鮮日報2003/12/09
少子化時代を迎え、医師たちの産婦人科への志願率が下がっていることが分かった。
9日、病院協会によると、最近、大学病院をはじめとする全国の病院研修生受入病院で「専攻の原書受付」を締め切った結果、80年代には人気のあった産婦人科が定員205人に208人が志願し、競争率が昨年の1.2対1から1.01対1に下がった。
健康保険が適用されず収益性の高い皮膚科と美容整形外科は、昨年、2対1以上の高い競争率を見せたが、今年は1.9対1、1.7対1にそれぞれ下がった。しかし今年も、この2つの科が志願率の最も高い人気の科となった。
また、整形外科(1.7対1)、眼科(1.6対1)、耳鼻咽頭科および内科(1.5対1)も依然人気があった。
これに反し、昨年1人だけが志願した結核科は、今年は4人定員に、志願者が1人もいなかった。このほか、予防医学科(0.4対1)、胸部外科(0.6対1)など26の科のうち、11の科が定員割れとなった。
金東燮(キム・ドンソプ)記者 dskim@chosun.com
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
「医療事故が多くて大変な科に誰が行きますか…」
指摘は正しいが '国民負担' が増えて難題
'手術大乱'が来る前に政府が対応せねば
朝鮮日報2003/11/04
「診断放射線科は 2000年度 214人の専門医の輩出を起点に 2002年には 177人まで減り, 2003年からは 100人以下しか輩出されず、需要に対する最低供給以下に落ちました. (中略) このような専門医輩出の減少は、すなわちこの分野の就職機会の拡大と平均収入の増加につながっています….」
大韓放射線医学会は、来る 12月 24日に行われるレジデント試験を控えて、去る 9月末に全国のインターンにこんな手紙を送った. 去る数年間に診断放射線科専門医が減少したので、今診断放射線科を選べば就職がよく, お金もよく儲けることができるという内容だ. 手紙には外国有名学会研修の機会提供など ‘手厚いもてなし’も約束している. この手紙が志願率を高めるのに効果があるのだろうか.
レジデント人員の充足ができなければ、欠員を満たすための試験が下半期にも行われる. 去る 8月 25日に施行された今年の下半期レジデント試験で胸部外科は 19人, 救急医学科は 22人, 診断検査医学科は 18人を追加募集しようとした, 志願者は皆 0だった. 診断放射線科は 28人募集にただ 2人が志願した. 一方形成外科・耳鼻咽喉科はそれぞれ 1人募集に 2人が志願して 1人ずつ充員された. 不人気科は追加募集でも徹底的にそっぽを向かれた.
このようにレジデント人員の不均衡はますますひどくなっているが, 解決策の整備が簡単ではない. 今の異常な人員需給構造を放置すれば、短期的には患者たちが不利益を被り, 長期的に我が国に必要な専門医人員を十分に確保することができなくなるという‘診断’は医療界と政府で同一である.
医療界は “この問題の根本原因は、現実にそぐわない低い保険報酬だから”と主張する. しかし ‘処方’は未だ出ていない. 解法がともすると国民の医療費負担増加に帰着される可能性が高いため、誰も ‘銃床’を担おうと思わないからだ.
国民の医療費負担をふやさずにこの問題を解消するために、風邪など軽い疾患の本人負担金を高め、その代わりに重病の保険範囲を拡大する方向で報酬体系を調整しようという方案も提示されているが、これといった進展がない.
レジデントたちは “自由に専攻を選択することができる状況で、誰が易しくて楽な道の代わりにいばらの道を行くというのか”と抗弁する. 人気科である皮膚科・耳鼻咽喉科・眼科・形成外科などは専門医になった後の期待所得が高いにもかかわらず、レジデント時にも当直負担や急病患者を診療する仕事が少なく, 医療事故の危険性も低い. 一方胸部外科など外科系は未来が不透明な上、レジデント課程でも過剰な当直負担と過大な業務に苦しむ.
‘医療市場’の変化がレジデント志願率に直接影響を与えた事例が麻酔科だ. 麻酔科は開業が難しく, 医療事故の危険性も高くて 2000年にはレジデント充員率が 50~80%にとどまる不人気科だった. それがここ数年、麻酔科医たちが ‘麻酔・痛みクリニック’ などを開院して悪くない収入をあげるようになり、志願率が 2002年に 91.2%, 2003年には 99.5%まで上がった. 所得が保障されれば、大変な科にも志願者が集まることを示している.
アメリカは重い病気の手術をする医者の所得が相対的に高く, レジデント課程でも外科系などの業務負担が過剰にならないように厳格な勤務規定を置いている. アメリカレジデントの教育と勤務を担当する委員会(ACGME)は、レジデントは 1週間に 80時間以上働くことができず, 1週間に一日は必ず休むようにと規定している. このような規定があれば、胸部外科レジデントが一日 19時間以上勤務することは不可能だ.
大韓専攻医協議会のイ・ドンヒョン福祉理事は “大部分の病院で、レジデントの勤務時間に対する基準もないことが現実”と語った. このような実情を反映, レジデント労組まで議論され始めている.
ハンリム大医学部イ・サンゴン教授は “レジデント人員の不均衡問題を医療市場の競争だけに任せたら今後とも解決策は出にくいこと”とし、“医療の公共性が重要であれば政府が率先して動かなければならない”と言った.
(イム・ヒョンギュン記者 hyim@chosun.com )
▲図の説明: インターンがレジデントの専攻科目を選択するときに考慮する項目(順位)
1. 専門科目の名声と権威
2. 専門医取得後の開業機会
3. 専門医取得後の経済的所得
4. 志願科の病院内の位相
5. 医療事故の危険
6. 専門医取得後の都会での生活機会
7. 家族や知人の忠告
8. 課程の経済的状況(家族扶養の責任)
(資料:延世大保健大学院修士論文、インターン497人を対象にした設問調査)
入力 : 2003.11.04 18:35 27' / 修正 : 2003.11.05 04:09 56'
-----------------------------
上記を裏付けるように、専門医を選ぶ際に不人気科と人気科に差が出ているのは、日本と重なります。
専攻医志願率 皮膚科が1位
朝鮮日報2003/12/09
少子化時代を迎え、医師たちの産婦人科への志願率が下がっていることが分かった。
9日、病院協会によると、最近、大学病院をはじめとする全国の病院研修生受入病院で「専攻の原書受付」を締め切った結果、80年代には人気のあった産婦人科が定員205人に208人が志願し、競争率が昨年の1.2対1から1.01対1に下がった。
健康保険が適用されず収益性の高い皮膚科と美容整形外科は、昨年、2対1以上の高い競争率を見せたが、今年は1.9対1、1.7対1にそれぞれ下がった。しかし今年も、この2つの科が志願率の最も高い人気の科となった。
また、整形外科(1.7対1)、眼科(1.6対1)、耳鼻咽頭科および内科(1.5対1)も依然人気があった。
これに反し、昨年1人だけが志願した結核科は、今年は4人定員に、志願者が1人もいなかった。このほか、予防医学科(0.4対1)、胸部外科(0.6対1)など26の科のうち、11の科が定員割れとなった。
金東燮(キム・ドンソプ)記者 dskim@chosun.com
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
2007年10月30日:韓国・中国・アジア:skyteam2007
トラックバック
トラックバック
このエントリにトラックバックはありません
このトラックバックURLを使ってこの記事にトラックバックを送ることができます。
もしあなたのブログがトラックバック送信に対応していない場合にはこちらのフォームからトラックバックを送信することができます。.
Comments
コメント (0)
Add coments