Medical News Japan

エイズ: HIVウィルスはハイチ経由でアメリカに

Key HIV strain 'came from Haiti'
鍵となるHIV株はハイチ由来である


Science reporter, BBC News  2007/10/30
アメリカとヨーロッパで優位なHIVウィルス株の由来は,国際的な科学者チームによってハイチまで遡られました。

US National Academy of Sciencesの研究チームは,この株種はさらなる広がりをみせる前である1969年頃に,ハイチから米国に渡ったと述べました。

研究者達は株種の由来を知ることが,(AIDS発症に繋がる)HIV治療に役立つのではないかと期待しています。

HIV-1グループMサブタイプBは、米国・ヨーロッパ・南アメリカの大部分、オーストラリアおよび日本で優位な株種です。

科学者達は、その株の由来を発見したと述べました。

研究チームは,AIDSが世界的に広がりを見せる前にAIDSを発症した患者5名の保管されていた血液サンプルを検証しました。
その5名は全てアメリカ在住のハイチからの移民でした。

彼等の血液サンプルと世界中のAIDS患者117名分の血液サンプルより,遺伝子配列を分析し,ウィルスの系統図を作成しました。
その結果は,1969年頃にHIV株がハイチ(恐らく一人の人間)経由で米国へ渡ったことを決定的に示すと考えられました。

アリゾナ大学トゥーソンのMichael Worobey教授は研究著者の1人です。
彼は新しい研究結果より,1960年代中頃にHIVの起源と思われるアフリカからハイチに初めてHIVが渡ったと述べています。

Worobey教授は,「1966年までにウィルスは最初にハイチで蔓延し始めます。数年後,ハイチ株の変異体が導火線に火をつけたかのように,AIDSが世界中で爆発的に蔓延し,それがわれわれの知ることとなったのです。」とBBCに述べました。

Worobey教授と彼の同僚は,今後さらにHIVウィルス株の由来を追っていきたいと考えています。
彼は当時アフリカで働いていたハイチ人を通じて,コンゴよりハイチにウィルスが運ばれたのではないかと考えています。

Worobey教授は,この株種やその他の株種の由来について理解することは,今後のウィルスの突然変異の可能性をより正確に予測することを可能とするでしょうと述べました。


2007年10月31日:General:Hokuson

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